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村松 久和*; 吉川 広輔*; 石井 寛子*; 田中 栄司*; 三浦 太一*; 渡辺 智; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.211 - 213, 1999/10
金属中にイオン注入されたXeはCsに崩壊し、Csはメスバウア核種であってメスバウアスペクトルにCsが置かれた状態を反映するアイソマーシフトが観測される。われわれはアイソマーシフトの大きさとホスト金属の物理的・化学的性質との関係を明らかにするために各種金属にXeをイオン注入、液体ヘリウム温度でメスバウアスペクトルを測定した。これまでにわれわれが得たAl,V,Cr,Co,Ni,Cu,Mo,Rh,W及びTi,Zn,Ta,Re,Irに関する文献値から、ホスト金属の体積弾性率との相関と同時に、最外殻電子数との相関が示唆された。
村松 久和*; 石井 寛子*; 田中 栄司*; 三沢 雅志*; 伊東 誉*; 三浦 太一*; 武藤 豪*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.251 - 255, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)金属中のCs不純物原子についてアイソマーシフトの振る舞いを調べた。TIARAのオンライン同位体分離器を用いて、各種金属にXeをイオン注入し、液体ヘリウム温度でメスバウアスペクトルを測定した。スペクトルを多成分解析して、金属原子と置換した位置にあるCs原子のアイソマーシフトを求めた。アイソマーシフトとホスト金属の電子構造の間に相関が見られ、ホスト金属の伝導電子密度がアイソマーシフトに大きな影響を及ぼすと結論した。
村松 久和*; 田中 栄司*; 石井 寛子*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 藤田 雄三*; 小俣 和夫*; 武藤 豪*; 小泉 光生; et al.
Physical Review B, 58(17), p.11313 - 11321, 1998/11
被引用回数:5 パーセンタイル:32.42(Materials Science, Multidisciplinary)Csの81keV遷移のメスバウア効果に関して、同異体シフトの校正定数(核位置での電子密度に対する比例係数で、遷移前後の原子核半径の変化率)は、これまで核位置での電子密度に理論値を用いたため信頼性に乏しいものであった。本研究では内部転換電子強度の測定から実験的に核位置での電子密度を求め、校正定数を決定した。Xeを同位体分離器により各種金属箔にイオン注入し、液体ヘリウム温度でメスバウアスペクトルを測定した。同じ試料について空芯線スペクトルメータで内部転換電子スペクトルを測定した。その結果、校正定数として+(1.50.5)10を得た。この結果をもとに、高融点金属中にイオン注入されたCs原子の非常に大きな同異体シフトを5p電子の6s電子に対する遮蔽効果を考慮して解釈した。
村松 久和*; 田中 栄司*; 石井 寛子*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; 藤田 雄三*; et al.
KURRI-TR, 0, p.102 - 106, 1996/02
メスバウア遷移における核電荷半径の変化R/Rは、異性体シフトを生じる有効核電荷半径という。メスバウアスペクトルの異性体シフトはR/Rと核位置での電子密度の積に比例するので、R/Rの値が知られていれば、異性体シフトの測定からプローブ原子の電子状態を定量的に議論できる。本研究では、アルカリ元素のメスバウア核種として有用なCsについて、81keV遷移のR/Rを求める実験を行った。Csの親核Xeをイオン注入した試料について、核位置での電子密度は高分解能内部転換電子測定から、異性体シフトはCsClを吸収体にしたメウバウア測定から求め、予備的ではあるが、R/R~0.510を得た。
村松 久和*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; 藤田 雄三*; 小俣 和夫*; 矢永 誠人*; et al.
Hyperfine Interactions (C), p.396 - 399, 1996/01
RIをプローブとする核物性的研究として、メスバウア核Csの81keVの遷移について、遷移の前後の核電荷半径の変化R/Rを求める実験を行った。R/R0の場合、R/Rと核位置での電子密度の積に比例して、メスバウアスペクトルに異性体シフトを生じる。外殻電子の状態は位置での電子密度に反映されるので、異性体シフトの測定からプローブ原子の置かれている状態を定量的に議論するためにR/Rの値が必要である。本研究では、Csの親核Xeをイオン注入した試料について、核位置での電子密度は高分解能内部転移電子測定から、異性体ソフトはCsClを吸収体にしたメスバウア測定から求め、予備的ではあるが、R/R0.510を得た。
佐伯 正克; 中田 正美; 正木 信行; 中村 彰夫
SIF Conf. Proc., Vol. 50 (ICAME-95), 0, p.119 - 122, 1996/00
ペロブスカイト型Eu-Nb酸化物を合成し、uメスバウア分光法及びXRD法でその特徴を調べた。EuOとNbO又はNbとの混合物を高真空下で加熱する合成過程のEuの還元速度は、NbよりNbOの方が速いことが分かった。また、四極子分裂に対する電場勾配が一連の化合物中で、正、負ともに出現することを初めて見いだした。さらに、Euの異性体シフトの値としては、これまで報告された酸化物系化合物中で、飛びぬけて大きい値を見いだした。この値はEu-Oの結合距離と一次の相関があることが分かった。Eu-Oが短くなり、共有結合性が増しても4f電子は結合関与せず、5d、6s、6p軌道の関与があるためと考えられる。
佐伯 正克; 中田 正美; 正木 信行
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(8), p.864 - 866, 1994/08
被引用回数:1 パーセンタイル:26.96(Nuclear Science & Technology)約15年前に入手したAm-241線源を用い、発光メスバウア分光法により線源中のNpの化学状態を調べた。200Kではほぼ4価と5価の状態のみであり,これまでの報告と比較して、線源の化学形は二酸化物であると結論した。80Kでは小さいが新たな第3の吸収が認められた。7Kでは第3の吸収は4価の吸収より大きくなったが、第3の吸収と4価の吸収の和と5価の吸収の比は温度によらず一定であった。第3の吸収の異性体シフトは核外電子密度が高い側へシフトしているが、4価の範囲内に入っていること、及び強い温度依存性を持つことから、Amを置換して格子点に入ったNpであるが、近くに電子を捕捉した酸素空孔が存在している状態であり、長期間保管中に自己放射線損傷が進み、検出されるようになった状態であると結論した。